京都大学大学院 工学研究科 都市環境工学専攻 安全衛生工学・エネルギー管理工学分野

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2024.05.30 研究室HPをリニューアルしました

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 実験室での実験を中心に、共用利用施設や他学部での観察・計測、フィールドでの調査、院生室での統計処理やシミュレーションなど、アクティブな活動をチームで進めます。 実験室間やフィールド調査地への移動も多く、一人ですべてを完結できる研究テーマはありません。研究活動に対して、ONとOFFのメリハリがはっきりしているのも、これが要因かもしれません。働く環境を評価できるスキルを習得し、社会に出る前に職場について考えてみませんか?

教授 松井 康人

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職場環境の定量的評価とエビデンスに基づいた改善措置

 化学物質や粒子状物質、物理的有害要因、労働態様に係わる有害因子、安全に係わる危険因子など、職場環境におけるすべてのリスクの程度を、それぞれ個別に、客観的に、可能な限り科学的に定量評価し、そのエビデンスに基づき優先順位を決定し、これを削減する管理が求められています。
 そのために、実際の労働現場で調査を実施したり、発生源の一部を模擬的に実験室で再現したり、ヒトの呼吸器における吸入モデルを作成したりすることで、新たな評価技術の探求や、改善に向けた提案を行います。スキルの習得や調査、研究に留まらず、安全で安心な職場環境を形成するための、「計画-実施-評価-改善」の一連過程が、自身で管理できるエキスパートを養成します。

職場環境の定量的評価とエビデンスに基づいた改善措置

生物学的指標を活用した有害物質の曝露評価

 ヒトへの有害物質の曝露経路は、「経皮・経気道・経口」に大別されます。空気中や食品などにまれる物質の濃度から、ヒトへの曝露量として試算することも可能ですが、血液や尿、唾液、毛髪などの生体試料中の指標を計測することで、曝露量を推定することができます。これらのバイオマーカーは、健康診断での値のように、曝露量を反映するのみならず、疾患などの影響量を現す時もあります。
 リスクが懸念されているアクリルアミドやアルデヒド類は、血中のたんぱく質やDNAと結合すると考えられており、その寿命に応じた累積的な曝露評価が可能であると期待されています。
 体内に摂取されてから、分解、排泄されるまでをトレースし、有用な生物学的指標の探索と、より精密な曝露評価を研究しています。

生物学的指標を活用した有害物質の曝露評価

ナノマテリアル・粒子状物質の曝露評価手法の確立

 酸化チタンやカーボンナノチューブなど、多くの種類のナノマテリアルが開発され、既に市場に出回っています。アスベストの様に、作用をはじめ、これらの有害性についても検証が進んでいます。
 一方で、これらの材料が製品として使用された際に、ヒトにどれほど曝露があるのかについては知見が足りていません。チャンバーを用いた1粒子追跡システムを開発することで、国際標準としての曝露評価手法を提案しています。これにより、事業者自らが評価する自主管理体制が期待されています。

生物学的指標を活用した有害物質の曝露評価

大学キャンパスのエネルギー消費量の調査と変動可能量の推定

 電力の使用状況は、ある施設のある時間帯に集中しており、時間的、空間的な偏在があります。電力需要の時系列データを俯瞰し、個別機器のロードカーブを詳細に調査・分析することで、エビデンスに基づくエネルギー利用の合理化を図ります。また、需給ひっ迫時や再エネの出力抑制・余剰時に利用可能なDemand Response(DR)による変動可能量を定量評価し、効率的なエネルギー管理を行う研究をしています。

大学キャンパスのエネルギー消費量の調査と変動可能量の推定

利用者の行動変容による実験施設の省エネルギー化に関する研究

 ドラフトチャンバーは、実験室と作業者を安全に保つために使用される局所排気装置の一つであり、数多くの実験室に設置、利用されている装置になります。ドラフトチャンバーにおける省エネを図るため、利用状況に関わる情報を利用者に提供し、ナッジを活用したエネルギー利用の合理化に関する研究を進めています。ナッジを活用した取り組みは「桂の庭」で紹介されました。

利用者の行動変容による実験施設の省エネルギー化に関する研究

Demand Responseに利用する電力需要予測

 DRを実施した際の変動量を定量化するためには、DRを実施しなかった場合の電力需要予測が必要になります。一般にHigh 4of 5などの平均化法が用いられる中、線形回帰、自己回帰・自己回帰移動平均モデル、リカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network;RNN)やLSTM(Long Short-Term Memory)等の人工ニューラルネットワーク等、時系列分析を用いた手法などを適用することで、空間的、時間的に偏在する変動可能量を最適に利用する電力需要予測について研究しています。各種センサーを用いて電力データ等を取得、解析、予測モデルの構築、評価する一連のスキルを身に着けることができます。

Demand Responseに利用する電力需要予測

全天球画像を用いた太陽光発電量予測

 2050年カーボンニュートラル達成に向けた再生可能エネルギーの急速な導入拡大により、天候に発電量が左右される変動性電源が増加しています。電力系統では、電力の需要と供給を一致させる必要があり、正確な発電量の予測が求められています。気象衛星では捕捉しにくい領域について、地上から全天球カメラを用いることで、発電量の急峻な変動による予測誤差を低減する研究をしています。

全天球画像を用いた太陽光発電量予測

Member

教授
松井 康人
特定講師
加藤 伸之
助教
長屋 太樹
共同研究員
川口 絵美
秘書
藤田 綾子
D3
A.U.A
D2
S.H.S
M2
K.D
M2
Y.H
M2
F.Y
M1
T.S
M1
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M1
N.Q.D
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B4
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